はたらく私の逃げ方ブック

社内ツール・マニュアル

リクルートライフスタイルの社内防災における啓蒙ツールです。
ライティングを担当しました。

はたらく私の逃げ方ブック

 

 

「逃げるヤツ」って批判されがちじゃないですか。逃げずに戦えって言われるし。金田一で最初に殺されるのは、だいたい最初に逃げたヤツだし。でも逃げるってめっちゃ大事なんですよ。逃げないと、孤立する。逃げないと、周りも逃げられなくなる。結果、自分が死んだり周りと総心中になったりする(物理的にも精神的にも)。とくに責任のある立場、人に影響を与える立場になるほど、逃げられなくなる。偉くなるほど、逃げづらい。そんな上司を見ている部下も、逃げづらい。スパイラル。

 

そこでいっそ、メインのメッセージを「とにかく逃げろ!」一点に据えた、防災マニュアルをつくりました。臆病者こそ勇者。自分が助かることが、人を助けることにもなる。だから、自分がまず逃げましょうと。そういえば実際、防災士の研修なんかでも言われます。「自分の命さえ助かればいいと思っている人は、それでもいい。あなたが確実に怪我をしなければ、あなたの分の救急車や医師が、他の人を助けることができるから」って。

 

 

はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック

逃げるブックでは、「臆病って、勇気だ。」をコンセプトに、働くオフィスでの発災時にとる行動に焦点をあてています。被害を減らす、生きる確率をあげるの2点を目的の中心にしました。巷によくある「防災本」は地震に関するものがほとんどだったり、備蓄品など備えに関するものが多い。しかし、オフィスにいる時間というのは意外に長く、そして、発災の瞬間に生き延びることができなければ意味がない、ということが制作チームの考えのもとにはありました。突然震度7が来たら。給湯室から火が上がったら。インフルエンザが大流行したら。そのときに考えること、取るべき行動について、紹介しています。

はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック

 

 

異常気象、地震、津波、噴火、火災、パンデミック、街の危険、災害タイムライン、応急処置、災害時の心理、の10章構成。発災時にとるべき具体的行動をQ&Aで紹介するパートと、災害にまつわる基本情報を解説するパートのふたつにわかれています。

 

分厚い災害マニュアルなんて、どうせ読まないからね。Q&Aで、そのときの行動だけ覚えていただければと思いました。オフィスで震度7が来たら、柱の近くでぶりっ子プンプンポーズですよ、みなさん。

はたらく私の逃げ方ブック

 

 

逃げ方ブックを入れられる、隊長のここぞセットも同時に制作。マネージャー層に配布しました。災害時に使えるライトやどこにでもかける油性ペンも一緒です。便利。

はたらく私の逃げ方ブック
はたらく私の逃げ方ブック

 

っていうか、これをつくったときはお客さん(リクルートライフスタイルの総務担当者さん)がマジマジのマジにすごくて、総務のプロというものがこの世にはいるのだなぁと思ってしまった。恐れ入るとはこういう感情かって感じ。

災害って防げないし、死ぬときは死ぬ。でも、生き延びる確率を上げることはできるんですよ。って話が印象的でカッコよくて、私は感化されて防災士の資格を取りました。

 

こちらで第40回2019日本BtoB広告賞の経済産業大臣賞(要はグランプリです、プランプリ)をいただきました。受賞チームでのお仕事、お待ちしておりますのでよろしくお願いいたしますね。

 

CL:RECRUIT LIFESTYLE
P/DIR/E/C/D/IL:PARADOX
WR:Momo Yamagata